気仙沼市立病院

病院紹介

院長あいさつ

 令和6年4月1日から前横田院長の後任として気仙沼市立病院の院長に就任いたしました、大友浩志でございます。

 市民の皆様には、東日本大震災の苦い経験、コロナ禍での行動制限など、二度も大変な苦難を経験し乗り越え日常を取り戻してきたことに頭が下がる思いです。まだコロナは完全に終息したわけではありませんが、当院も皆様と同様、職員一同力を合わせて何とかこの難局を乗り越えてまいりました。現在、気仙沼圏域の山積している医療の問題のより良い解決のためにもこの経験を私たち職員は、今後に生かさなければなりません。また、患者さん第一の医療を実現するという理念を維持しつつ、時代のニーズに合った医療も提供しなければならず、難しいかじ取りが今後さらに必要になってきています。

 令和6年4月には本吉病院との医療再編が行われました。地域の皆さんの不安を払拭するために説明会等を開きご理解をいただく努力をしてまいりました。この再編で気仙沼市民の皆さんに対しより良い医療がさらに提供できるようになり、再編してよかったと思っていただけるようにしていかなければならないと肝に銘じています。

 また気仙沼は高齢化率が県内でも進んでいる地域です。医療ニーズも多岐にわたってきております。急性期医療を堅持しながら、亜急性期、回復期など、気仙沼市立病院が担わなければならない医療はさらに増加してきております。どのような体制で市民の皆様の期待に添える医療を提供できるか皆様とともに考えていかなければなりません。

 市内で一般病床を持っている病院は当院のみになってしまいました。当院の入院病床の割り振りも再度考えざるをえない状況です。気仙沼市内での転院はほぼ不可能になってきております。患者さん、ご家族と相談しながら介護施設などと協力し合い自宅退院困難な方の受け入れ先も考えていかなければなりません。もちろん一番は自宅退院であることは明らかです。そのためにも在宅診療を担っている方々や行政との協力も不可欠です。幸い本吉病院との医療機能再編で本吉病院の訪問診療のノウハウを最大限利用することが可能になりました。近い将来各方面と話し合いながら開業医の方々と連携し、気仙沼全圏域に訪問診療を広げていきたいと考えております。

 人口減、高齢化とともに出生率も低下してきており、市内で出産できる施設も当院のみになりました。分娩数の減少、医師の働き方改革などの影響で分娩施設の集約化が進んできており、安心して子供を産み、育てられる医療環境を維持していくことは困難になってきております。可能な限り東北大学の協力をいただきながら現在の状況を維持していきたいと考えております。

 市民の皆さんが安心して医療を受けられる環境整備を行い、気仙沼市立病院を受診してよかったと思われるようにこれからも職員一同尽力してまいります。市民のニーズにこたえるためには環境整備だけではだめなのは当然です。医療は最終的には人の力ですから、職員一人ひとり病院職員としての自覚も必要です。職員の医療人としての意識改革も併せて行いたいと思います。 これからも皆様のご支援、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

気仙沼市立病院  院長 大友 浩志