がん化学療法室
1 気仙沼市立病院の化学療法(抗がん剤治療)の現状
化学療法(抗がん剤治療)は、手術療法、放射線療法とともに、がんの治療には欠かせない重要な役割を果たしています。この3つの治療法を上手に組み合わせ、最良の結果が得られるように治療提案を行っています。特に近年の化学療法の進歩は目を見張るものがあり、新しい抗がん薬に加えて、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬という抗悪性腫瘍薬が開発され、がんの治療成績の向上に大きく貢献しています。
2006年のがん対策基本法の成立により、がん医療の均てん化(全国どこでも等しく高度な医療が受けられること。)が進み、安全性に富んだ質の高い医療が日本全国で受けられるようになりました。当院においては全国水準のがん化学療法(抗がん剤治療)を提供するために、院内に化学療法委員会・レジメン審査会を設置し、がん化学療法レジメン(治療計画書)の妥当性及び安全性の評価を行っています。加えて、新しい治療法や新規抗悪性腫瘍薬を、都市部に遅れを取ることなく、いち早く審査し実施できるよう努力しています。このような取り組みによって、気仙沼市立病院では安全かつ水準の高い化学療法を、年2000件以上行っています。
2 外来化学療法室
抗がん剤治療は新規薬剤の開発や副作用の軽減など、医療の進歩により、外来でも安全に治療を受けられるようになりました。気仙沼市立病院でも2012年4月に外来化学療法室を開設し、様々ながん種の患者さんが外来通院にて抗がん剤治療を受けています。外来で治療を行うことで、患者さんは日常生活を継続でき、安心して治療をうけることができます。
化学療法室にはベッド4台、リクライニングチェア4台が設置してあります。治療中はテレビ鑑賞、読書、飲食などができ、快適に治療を受けられるよう配慮しています。
また化学療法室には3名の専任看護師と2名の専任薬剤師が配置されており、治療や療養に関する相談、副作用のマネジメント、お薬説明など、患者さんの抱える悩みにタイムリーに対応しています。さらに栄養士、院外薬局とも連携を取りながら、チームで患者さんのサポートを行っています。